重なりあったオブジェクトを合体したりバラバラにしたりするブーリアン演算について解説します。

Amadineのブーリアン演算は5つあります。
合体(Union)、差分(Subtract)、交差(Intersect)、排他(Exclude)、分割(Divide)です。
それぞれの演算について、どのオブジェクトのアピアランス(塗りつぶしの色など)が残るのかを注意して見ていきましょう。

この記事を執筆したときのAmadineは、Version 1.2.8です。

合体(Union)

まず初めに、一番よく使う「合体(Union)」を試してみましょう。

緑色の四角の上に、黄色の円が重なっています。
2つのオブジェクトを選択して、Pathパネルにある「合体」のアイコンをタップします。
2つのオブジェクトが合体し、全体の色が黄色になりました。
つまり、合体は、重なっているオブジェクトのうち、一番上のオブジェクトの色(アピアランス)を持つ1つのマージオブジェクトを作成します。
次にLayersパネルのアイコンをタップします。
2つのオブジェクトがグループ化されて、名前が「Compound Group」に変わっています。見た目は合体していますが、合体前のそれぞれのオブジェクトの大きさや形を編集することができます。
次にPathパネルのアイコンをタップします。
Expandボタンをタップしてから、Layersパネルのアイコンをタップします。
グループ化されていた2つのオブジェクトが、完全に合体して1つのオブジェクトになりました。

差分(Subtract)

今度は、差分を試してみましょう。

Pathパネルにある「ブール演算を展開する」をタップしてONにします。このオプションをONにすると、ブーリアン演算後のオブジェクトはCompound Groupにならず、1つのオブジェクトになります。
次に「差分」のアイコンをタップします。
ご覧のとおり黄色の円が消えて、緑色の四角のうち円と交差していた部分も欠けてしまいます。
この機能で、ドーナツを作ってみましょう。
黄色の円の上に、灰色の小さい円を配置します。
差分を適用すると、ドーナツになります。

交差(Intersect)

次は「交差」を試してみましょう。

オブジェクトを2つ選択して、「交差」のアイコンをタップします。
オブジェクトの重なりあっていた部分だけが残ります。
交差によってできるオブジェクトの色は、重なっているオブジェクトのうち、一番上のオブジェクトの色になります。

排他(Exclude)

続いて、排他を試してみましょう。

排他で出来上がるオブジェクトの色は、Expand Booleanオプションによって異なります。

Expand Booleanオプションは、ONにしておきます。
2つのオブジェクトを選択して、「排他」のアイコンをタップします。
オブジェクトの重なっていた部分が消え、1つのオブジェクトになります。
ご覧のとおり、Expand BooleanがONの時、出来上がったオブジェクトの色は、下にあったオブジェクトの色(緑色)になります。
指2本でキャンバスをタップし、元に戻します。
Expand BooleanのオプションをOFFにしておきます。
オブジェクトを2つ選択して、「排他」のアイコンをタップします。
このように、Expand BooleanがOFFの時、出来上がったオブジェクトの色は、上にあったオブジェクトの色(黄色)になります。
📌NOTE
  • 排他で出来上がるオブジェクトの色は、Expand BooleanオプションがONの時「下」のオブジェクトの色になり、OFFの時は「上」のオブジェクトの色になる。

なお、排他には「オブジェクトが偶数重なっている部分は消えて、奇数重なっている部分を残す」という特徴があります。

私は、あまり排他を使うことがありません。
どんな時に使うと便利なのか分かったら追記したいと思います。

分割(Divide)

分割を試してみましょう。

「分割」は、Expand BooleanオプションのON/OFFに関係なく、出来上がるオブジェクトがグループになります。

2つのオブジェクトを選択して、「分割」のアイコンをタップします。
Layersパネルを開くと、オブジェクトがバラバラになってグループとなっていることが分かります。

フュージョンツールとブーリアン演算の使い分け

Amadineには、ブーリアン演算と同じことができるフュージョンツールがあります。

フュージョンツールについては、下記の記事で紹介しています。

フュージョンツールの使い方 iOS版Amadine

フュージョンツールの使い方 iOS版Amadine

オブジェクトを結合したり、部分的に削除するためのヒュージョンツールについて解説します。

ただし、すべて同じことができるわけではありません。

合体(Union)、差分(Subtract)、交差(Intersect)は、フュージョンツールで同じ結果を得ることが可能です。

しかし、排他(Exclude)と 分割(Divide)に関する機能はフュージョンツールにありません。

合体に関しては、フュージョンツールの方がキャンバス上で直感的にできます。

差分と交差もフュージョンツールの方が意図したとおりの結果を得やすいと思います。ただ、フュージョンツールでは、不必要なオブジェクトが残ってしまうので、場合によってはブーリアン演算の方が楽に操作できるかもしれません。

フュージョンツールではできない排他と分割のうち、分割は頻繁に使うことでしょう。

それぞれのブーリアン演算の結果を見比べると「差分」「交差」「排他」は、「分割」の結果の一部であることがわかります。

このため、「分割」の結果から「差分」「交差」「排他」のオブジェクトを作ることができます。

ブーリアン演算のうち、とりあえず「分割」だけ覚えておいて、それ以外は分割後のオブジェクトを加工するか、フュージョンツールを使うのが楽です。